●「われらをめぐる海」

私がレィチェル、カースンの「われらをめぐる海」を知ったのは十年ほど前、
本の雑誌で目黒孝二がベストワンに上げていたのを見て読んでみたくなり
手に入れた記憶があります。
その頃私は、スリランカレストラン「ヌワラエリヤ」を立ち上げようと計画していて
時々スリランカに行っていました。かれこれ七、八回行っています。
その旅行の際、この本をよく持って行きました。コロンボ郊外の
マウントラベニアホテルのプールサイドでインド洋を眺めながら読んだものです。
海の起源の冒頭から偉大なる生命の母、海についての話は
ぐいぐいと引き込まれていきます。
私たち人類の生活が大きく広がり、深くなっても
海はなお多くの謎と神秘、自然の不思議を秘めているのです。
その秘められた謎の部分を科学者の視点で描き出された本です。
アメリカで初版が出たのが1950年、日本ではハヤカワ文庫の初版が1976年です。
著者は農薬散布等による自然への破壊をいち早く警告した
「沈黙の春」を著したアメリカの女性科学者。
出版されるやたちまちベストセラーとなりアメリカでは数多くの賞を受けています。
その上今までに世界中ですでに数百万部を売り、18ケ国で翻訳されたという事実は
いかに優れた内容を持った本であるかわかります。
文章は詩情性豊かで美しくおおらかで繊細、
読んでいて大変に気持ちのよい思いに浸れます。

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